2012年9月21日金曜日

Makerbot:Replicator2レポート(3)

Makerbotは何処へ

弊社NY駐在員@kosamariのMakerBot:Replicator2関連 レポート
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●次世代のプリンタについても昨日発表があった。

Replicator 2X http://store.makerbot.com/replicator2x.html
- ABSプラスチック対応
- デュアルエクストルージョン
- 2013年1月発売予定
- 価格 $2799

Replicator 2からパーツ交換でのアップグレード可能かは不明(サポートフォーラムに質問が上がっているがまだオフィシャルの返信無し)

また、2009年から2011年までに作られた3DプリンタではMakerBotは16%の市場シェア、2011年のみで見ると21.6%の市場シェア。今までに1万3千台以上のMakerBotデスクトッププリンタがエンジニア、デザイナー、研究者、ものづくりが好きな人に使われているそう。
(プレスリリースより http://www.makerbot.com/replicator2-press-assets/

●MakerCareプランの発表
http://www.makerbot.com/blog/2012/09/19/introducing-makercare-for-service-and-repairs/
- 1年間のサポートプラン(350ドル/更新可能かは不明)
- Replicator2の購入時のみ加入が可能

すべてのMakerBot製品はサポートチームによるemailと電話サポート、チュートリアル、ドキュメント、トラブルシューティングガイドが付いている。これに加えてMakerCareは以下の特典がつく。
1. トラブルシュート/修理をするためのオンラインサポートツール
2. エキスパートMakerBotテクニシャンへのアクセス(詳細は不明)
3. 簡単な修理用のMakerCareリペアキット
4. パーツ交換時の輸送費を50%カバー(制限有り)
5. Awesomeness(素晴らしいこと、スッゲー、イイネ!等の意)

●Replicator2はオープンソースでは無いらしい
昨日の発表ではハードがオープンソースかどうかについての言及は無かったけれど、今日になってオープンじゃないらしい。ということが判明。
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Twitterより
"MakerBotのサポートに電話して確認したけどオープンソースじゃ無いらしいよ!"
https://twitter.com/josefprusa/status/248529834404352000
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これについてオフィシャルブログでCEOのBreが500ワードを超える長文で回答。
http://www.makerbot.com/blog/2012/09/20/fixing-misinformation-with-information/

要旨としては
150人の従業員を支えられる持続可能なビジネスモデルを探りながら、できる限りはオープンにできるようにこれからもやっていく。
オープンソースの精神にはリスペクトを続けているし、オープンソースハードウェアサミットで議論できるのを楽しみにしている。
オープンソースハードウェアは前例になる会社やビジネスモデルがほとんんど無く、僕らのモデルが成功するかどうかはわからないけれど、デベロッパーとコミュニティーがwin-winになれるようにできればと思う。
幸運な事に今までもUltimakerやRepRapプロジェクトと技術的に寄与しあって、お互いの肩を持ち合ってこれた。
今回の変更は僕達がプロフェッショナルなビジネスとしてやっていくために初めてした方向転換ではないし、これが最後でもない。」

結局オープンなのか・オープンじゃないのかについての明確な言及はなく、コメント欄では「結局どっちなの?」というツッコミも…。
現状ソースの公開は無いようなので「現状Replicator 2はブラックボックス、でもできるだけ利益を出しながらオープンにしていけるように頑張るよ」という所なのかな。

新しいソフトMakerwareもソースコードの公開はされていない
これについて"LGPL+GPLライブラリに静的リンクしてるのになんでソースの公開がないの?"
https://twitter.com/kcimc/status/248789611126616064
との指摘が上がっているけれど、まだ公式の解答は無い模様。

●Thingiverseのライセンス騒動
3DファイルをシェアできるThingiverseの利用規約が変わってアップした物はすべてMakeBotの管理になる」という話が出て一部の人が騒ぎ、サイト上で"Occupy Thingiverse"なんて抗議活動も始まるも、Breが前述のブログ記事で今年2月から利用規約は変ってない。と否定。
ただし「今の利用規約は法的な文章でユーザーフレンドリーでないのは事実だ。ただ、書きなおすのにも弁護士費用がかかる。2013年にはわかりやすい文章にできるようにTODOリストに入れている。」と回答した。

ちなみに2月の利用規約改定時にBre自身が変更の理由を説明している
http://blog.thingiverse.com/2012/02/10/thingiverse-updates-terms-of-use-and-license-options/

1. ユーザーがアップしたファイルに対する権利付けのオプションから All Rights Reservedを外した。シェアをする場所なのに「これ作ったよ!」の意思表示(“I Made One”ボタン)ができなく混乱を生じていたから。All Rights
Reservedを外すことで今まで以上にシェアする場として強力になった。

2. PublicDomeinオプションをCreative Commons Public Domain Dedication licenseに変えた。これによりパブリックドメインのコンセプトが無い場所において法的な保護ができる。
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以上,@kosamari
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参考:MakerBotの創始者の1人(現在はMakerBotから離れている)のZachがブログでPeplicator2にコメントしている。
http://www.hoektronics.com/2012/09/21/makerbot-and-open-source-a-founder-perspective/

2012年9月20日木曜日

Makerbot:Replicator2レポート(2)

これ、オフィシャルの紹介ビデオ


1. 新モデルのReplicator 2
- 組立て済み出荷
- PLAプラスチックのみ対応で、ABSと違いプリント中の縮みや反りが無くなる
- プリント時間が早くなった
- レイヤー解像度は100ミクロンまで対応できる(ほぼプリンタ用紙と同じレイヤーサイズ、前のモデルよりも2倍の解像度)
- プリント可能なサイズは410平方インチ(11.2" L x 6.0" W x 6.1" H)
- プリントベッドは取り外し可能
- ベッドのレベリング調整が簡単になった
- 価格$2199

ビデオが「君がエンジニアで3dプリントモデルが欲しいと思ったら、金額の高いサービスを利用するか、学術機関に潜り込んで冷蔵庫みたいなサイズのプリンタを使わないといけなかったね」と始まる点からしてDIY要素からは離れた商品の位置付けの模様

2. 新ソフトMakerWareのベータ版リリース(今まではReplicatorG利用していた)
新アルゴリズムでプリントデータを用意する際のスライス時間が最大20倍早くなった。

3. NYのNoHoにリテールストアを出店
ちなみにNoHoはチェーン店とかはあまり無く、デザイナーショップやらセレクトショップとかがある落ち着いて単価高めのエリアです。
- 店内はRepricator 2のみ(レガシーモデルは置いてない)
- Repricator 2は販売してる
- その他botでプリントしたパーツを使った時計・時計用バンド・ミニオブジェ なんかを販売
- プリントしたおもちゃの入ったガチャガチャ設置
DIYの残り香もないようなオシャレ店舗でしたよ。

ちなみに今日のMake:ブログに「僕らのオープンソースヒーローはクローズドソースになっていくのか?」っていうタイトルでTangibotなんかのそのままコピー商品(中国製で安い)との対峙について取り上げられてました。
http://blog.makezine.com/2012/09/19/is-one-of-our-open-source-heroes-going-closed-source/

Arduinoクローンはコミュニティに付加価値をもたらすとして受け入れられてるが、もっと複雑なデバイスを作っているMakerbotはどうなる!競争に勝つには十分なリソースを投入して開発を進めないといけない、ただクローズドにして特許やライセンスモデルにしても競争相手が居なくなるわけではなく、売上だけを考えてオープンソース精神を尊重しない競争相手を作るだけだ。
結局オープンソースハードウェア企業のターゲットマーケットはMakerだ。Makerはブラックボックス商品は欲しがらない、調べたいと思ったら自分で開けて調べられる商品が欲しい。そして自分の傷を引掻きながらコミュニティ全体のために問題を解決していくことができる。」

みたいな、今後の未来予想よりも問題提起的な記事でしたけどね。

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以上,弊社ニューヨーク駐在員@kosamariのレポートでした。

Makerbot:Replicator2レポート(1)

NYC在住@kosamariのMakerbot:Replicator2発表会レポート

03:52(現地時間14:52)
みんなMakerbotのアナウンス見てるw あと10分。

06:32(現地時間17:32)
Makerbot の新モデル。Replicator 2.  2199 ドルなり


3d プリントした景品があたるガチャガチャ。 Makerbot の新しいリテールストアにて。


makerbot watch. バンドのみは$19.99. アナログ時計モデルは$59.99 #makerbotsto 


新モデルはかなり精細プリントできる。#makerbot


かなり綺麗にプリントできてる #Makerbot


Bre on cover of WIRED mag .



 ローラーコースター?



学校とかで買うなら、良いと思うよ、新モデル。 一つの製品になってきた。 DIY とかMaker的な要素は消えた。

夫の話だとウェブのフォーラムでもちらほらDIY要素が消えたことにがっかりコメントもあるみたい。まぁ一時代過ぎた感じです。20万で趣味を買うというより製品を買う感じ。

サポートが結構しっかりしてるので、DIY的にメンテ改造はできないけど3Dプリンタで遊びたい人にはいいでしょう。 私は、パーツ集めてコンピュータ作って遊ぶか、初めからMacmini買って遊ぶかみたいな違いって感覚。

実はMakerbotの会社内部も組織がかなり変わってDIYの頃のメンバーも離れて行っているという現状もある。

新Makerbot:US-Make:blog A Video Tour of the MakerBot Replicator 2 の要旨
スチールとPVCの外観/PLA専用で開始までのヒーティングが早い/プリントも他15種のプリンタに比べて早い/シンプルで進化したレベリング/プリントベッドが取り外し可能/その場で冷却・再開できるクールポーズ機能

(2)につづく